判例で学ぶ暮らし
本件は,N社からテレビ,文字放送受信表示器等を組み合わせたシステムをクレジット契約又はリース契約を利用して購入した原告らが,N社の取締役,販売代理店であった被告らに対し,同システムの販売がだますことを計画していたような商売(詐欺的商法)であるなどとして、法律や約束を守らなかったこと(不法行為、一部については債務不履行)により、既に支払ったクレジット又はリース料等相当額の損害賠償等の支払を求めた事案です。
N社は,本件機器を病院,医院,診療所,理美容院,飲食店等を経営する顧客に対し,クレジット・リース契約を締結させた上で販売し,その販売促進策として,文字放送受信表示器に有料広告を表示することによる広告放映料を顧客に支払うことによって,そのクレジット・リース料の負担を軽くする(軽減)又は無料化するという内容の事業を企画して,本件機器を3年間で3万5670台販売するという事業計画を立てました。しかし,本件機器の販売を開始するに先立ち,取扱クレジット・リース会社から,売主と同じ会社が代金相当額を広告放映料の名目で支払うことを保証する販売方法には問題があるとの指摘を受けたり,クレジット会社である国内信販株式会社のクレジットの提供が停止されたことがありました。取扱クレジット・リース会社から,割賦販売法の改正があるところ,本件システムはいわゆるココ山岡事件において問題となった保証販売に該当するおそれがあるなどとして,本件システム事業による本件機器の販売をやめるよう指導されたそうです。
ココ山岡事件は、一定の期間後に販売価格で買い戻すとして高額なダイヤモンド等を販売したのですが、ココ山岡が突然破産宣告を受けたため、売りつけられた人が損害を被った事件です。
N社は広告部門を別会社にしたり、会社の名前(商号)を変更するなどして営業していましたが,結局、東京地方裁判所において破産宣告を受けました。クレジット・リース会社の多数から与信を停止されて収益がほとんど上がらなくなり,その経営状態は急速に悪化したのです。本件システム事業は,その開始の当初から経営を続けることができないもの(破綻必至の)と詐欺的なもので法律にのっとっていない(違法であった)わけで,裁判所は次のように判断しています。
「広告放映料の支払が早晩(おそかれはやかれ)破綻すること(支払いができなくなること)を認識していたにもかかわらず,広告放映料の支払をうたい文句として,本件機器を原価を大幅に超える高額の販売代金で顧客に売りつけ,種々の経費やロイヤリティ等の名目で多額の販売利益を得ていたものであると推認することができる。」
以上のように、本件のクレジット・リース会社の与信停止が被害の拡大を阻止できたのですから、今後も同様の対応をして欲しいです。年収に対する多すぎる借入れは、将来、返済できないことになるかもしれません。収入が少ないのにあまりにも高い家賃だと毎月払うのは大変です。クレジット・リース会社でも悪質な業者に手を貸すようなことがあってはならないわけですから、責任は重いです(損害賠償等請求事件平成17年12月22日東京地方裁判所民事第44部)。
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