判例で学ぶ暮らし
被告は国内消費者金融業界のトップ企業です。当時の大蔵省銀行局長の通達で、貸金業者は債務者から取引内容の開示を求められた場合は、協力しなければならないことを定めていたのですが、被告は、原告から取引経過の開示を求められたのに、協力する義務を果たさなかったのです。この業者の義務違反に対し、原告は慰謝料を求めたのです。
結局、被告は、原告に対し、本件和解金128万2059円を支払うことになりました。裁判所は、調停委員会で調停したのですが、民事調停法の17条により決定となったのです。
民事調停法の17条は次のとおりです
「(調停に代わる決定)裁判所は、調停委員会の調停が成立する見込みがない場合において相当であると認めるときは、当該調停委員会を組織する民事調停委員の意見を聴き、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のために必要な決定をすることができる。この決定においては、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命ずることができる。」
その後、他の事件でも貸金業者の取引経過、取引履歴がすべて開示されることになりました。それによって払いすぎた(過払金)お金の不当利得返還請求は認容されました。開示請求者がいたずらに要求(濫用)するのでなく、貸金業者に特別(特段)の負担は生じないことも理由の一つになり、利用者の不利益が解消されたことは良かったです(過払金調停事件平成11年12月6日札幌地方裁判所)。
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